私の寝室の棚には、子供たちが幼い頃の写真が飾ってあります。
家族で出かけたときのものや、保育園でのクラスごとの写真、祖父母と一緒に写ったものなど……。母子手帳も一緒に置いてあります。
その頃の写真を眺めていると、3か月前に生まれた孫と、幼い頃の娘がよく似ているな……なんて感じます。
その棚には、もう一つ大切にとっておいたものがあります。
それは、童謡が入った、取っ手の付いた缶入りのカセットテープ5本セットです。
当時、NHKの「おかあさんといっしょ」で、歌のお兄さんやお姉さんが歌っていた曲もたくさん入っています。
このカセットテープは、家の中で流すのはもちろん、家族旅行にも持参して、車の中で聴いていました。
流れてくるのは、知っている歌ばかり。
後部座席では、娘と息子が声をそろえて歌っていました。ときには「おかあさんといっしょ」で振り付けのあった歌に合わせて、腕を振りながら歌っていたっけ。
今思い返すと、何気ない日常のひとコマですが、私にとっては懐かしく、大切な思い出です。
このテープをとっておいたのは、いつか娘たちに子供が生まれたら、その子にも聴かせたいと思っていたからです。
そして最近、久しぶりにこのテープを見つけました。
懐かしさがこみ上げてきて、もう一度聴いてみたいと思ったのですが、我が家にはカセットテープを再生できるデッキがありません。
何か方法はないかと調べてみると、カセットテープの音源をCDにしてくれる業者も見つかりました。
そこで娘に聞いてみました。
「あの頃のテープがあるんだけど、どうする? CDにするなら頼んでみるけど……」
すると、こんな返事が返ってきました。
「そこまでしなくても大丈夫だよ。今はAmazon Musicでも聴けると思うから。でも、とっておいてくれてありがとう」
そっか!!今はそういう時代なんだね。
あの頃、このテープを大切にとっておこうと思ったときには、インターネットでいろいろな音楽を聴けるようになるなんて、想像もしていませんでした。
当時から、そんなふうに音楽を楽しめたのかな?
私にとっては未知の世界だったので、今さらながら驚いてしまいました。
数年前にカセットデッキを処分したのですが、その前に一度、このテープを最初から最後まで流してみればよかったな……と、少し後悔しています。
娘には「じゃあ、処分しちゃうね」と返事をしたものの、やっぱりすぐには手放せません。
でも、しばらくは、もう少し手元に置いておこうと思っています。
そこには子供たちが小さかった頃の思い出が、たくさん詰まっていますので。
「いぬのおまわりさん」「げんこつ山のたぬきさん」「ドレミのうた」「山の音楽家」。
1本に20曲、5本組なので、全部で100曲も入っています。
カタコトの日本語で、かわいい声で歌っていた子供たち。
今はもう聴くことのできない、あの頃の歌声が聞こえてくるような気がします。
そんなことを思いながら過ごした、秋の夜の話でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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