娘の出産が近づき、
「赤ちゃんが生まれたら、お風呂係は私かな」
そんなことを考えていた時、ふと思い出した出来事があります。
娘が生まれたばかりの頃のことです。
実家から歩いて10分ほどの場所に、母方の祖父母が住んでいました。
娘は祖父母にとって初めてのひ孫。
二人とも、とても喜んでくれていました。
中でも祖母の嬉しさがあふれていた出来事があります。
退院して実家に戻ってから、娘をベビーバスでお風呂に入れる役目は、なぜか祖母の担当になりました。
最初の頃は、母が車で祖母を迎えに行っていました。
でも母は仕事をしていたので、約束の時間に迎えに行けない日もありました。
そんな日は、祖母が歩いて実家まで来るようになったのです。
きっと待ちきれなかったのでしょう。
当時の祖母は膝が悪く、自宅の二階にも上がれないほどでした。
それなのに、痛む膝を抱えながら、冬の寒い中を歩いて来てくれました。
健康な人でも10分ほどの道のり。
祖母には20分以上かかっていたと思います。
それでも、ひ孫に会いたくて来てくれたのです。
祖母の大きな手で、そっとベビーバスに入れられる娘は、本当に気持ち良さそうでした。
その様子を、私と母は横で微笑みながら見守っていました。
今思えば、あの時間は祖母にとっても、とても幸せな時間だったのでしょう。
やがて、自宅へ戻る日が来ました。
祖母も見送りに来てくれていました。
車が動き出し、
「またね。」
そう手を振ったあと、私は隣にいた当時の夫に聞きました。
「ねえ、おばあちゃん……泣いてなかった?」
振り返った祖母の姿が、少し寂しそうに見えたのです。
あの時の祖母の気持ちは、今なら少しわかるような気がします。
その時赤ちゃんだった娘がもうすぐ母になり、私も祖母になる立場になります。
そして、ひ孫ができる母はきっと
「私は手が小さいから、赤ちゃんの沐浴はできないわー。」
なんて笑って言うんだろうな、と想像しています。
祖母の大きな手で包まれていた娘。
今度は私が、その小さな命をお風呂に入れる番です。
あの日の祖母の優しい笑顔を、これからもずっと忘れないと思います。
祖母との思い出を書いていたら、母方の祖父母への感謝を書いた記事も思い出しました。
私たち家族を支えてくれた祖父母との思い出は、こちらにも綴っています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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