🍀祖母の大きな手と、ひ孫のお風呂時間

娘の出産が近づき、

「赤ちゃんが生まれたら、お風呂係は私かな」

そんなことを考えていた時、ふと思い出した出来事があります。

娘が生まれたばかりの頃のことです。

実家から歩いて10分ほどの場所に、母方の祖父母が住んでいました。

娘は祖父母にとって初めてのひ孫。

二人とも、とても喜んでくれていました。

中でも祖母の嬉しさがあふれていた出来事があります。

退院して実家に戻ってから、娘をベビーバスでお風呂に入れる役目は、なぜか祖母の担当になりました。

最初の頃は、母が車で祖母を迎えに行っていました。

でも母は仕事をしていたので、約束の時間に迎えに行けない日もありました。

そんな日は、祖母が歩いて実家まで来るようになったのです。

きっと待ちきれなかったのでしょう。

当時の祖母は膝が悪く、自宅の二階にも上がれないほどでした。

それなのに、痛む膝を抱えながら、冬の寒い中を歩いて来てくれました。

健康な人でも10分ほどの道のり。

祖母には20分以上かかっていたと思います。

それでも、ひ孫に会いたくて来てくれたのです。

祖母の大きな手で、そっとベビーバスに入れられる娘は、本当に気持ち良さそうでした。

その様子を、私と母は横で微笑みながら見守っていました。

今思えば、あの時間は祖母にとっても、とても幸せな時間だったのでしょう。

やがて、自宅へ戻る日が来ました。

祖母も見送りに来てくれていました。

車が動き出し、

「またね。」

そう手を振ったあと、私は隣にいた当時の夫に聞きました。

「ねえ、おばあちゃん……泣いてなかった?」

振り返った祖母の姿が、少し寂しそうに見えたのです。

あの時の祖母の気持ちは、今なら少しわかるような気がします。

その時赤ちゃんだった娘がもうすぐ母になり、私も祖母になる立場になります。

そして、ひ孫ができる母はきっと

「私は手が小さいから、赤ちゃんの沐浴はできないわー。」

なんて笑って言うんだろうな、と想像しています。

祖母の大きな手で包まれていた娘。

今度は私が、その小さな命をお風呂に入れる番です。

あの日の祖母の優しい笑顔を、これからもずっと忘れないと思います。

祖母との思い出を書いていたら、母方の祖父母への感謝を書いた記事も思い出しました。

私たち家族を支えてくれた祖父母との思い出は、こちらにも綴っています。

🌊『養育費の電話と、祖父母のぬくもり』
父の借金、母の涙、祖父母のあたたかい手──幼い私の目に映った家族の現実。養育費をめぐる電話の記憶と、祖父母のぬくもりを綴ります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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