クリスマスが近づくと、毎年思い出すこと
私は、カトリック系の保育園に通っていました。
園舎の隣には小さな教会があって、ときどき結婚式が行われていました。
「今、結婚式やっているよ」
先生がそう教えてくれると、私たちは園庭にある教会がのぞけるジャングルジムに我先にと登り、白いドレスの花嫁さんを必死にのぞいたものです。
「私も大きくなったら、この教会で結婚式をあげたいな」
そんなことを、幼心にひそかに思っていました。
クリスマス当日には、一人一本ずつ蝋燭を手に持ち、その教会で「きよしこの夜」を歌いました。
蝋燭から垂れるロウが手に落ちてくるんじゃないかとビクビクしていて、正直、歌に集中できていなかった記憶があります。
教会の中には、イエス様が十字架に貼り付けられたステンドグラスもあって、これがまた幼い私には怖くて怖くて仕方がありませんでした。
記憶が正しければ、当時の園長先生は教会の神父様で、見た目はどこかカーネルおじさんに似ていたような気がします。
クリスマス会では、年長組になると毎年決まって
「イエスの誕生」という劇を披露していました。
配役は担任の先生が決めるのですが、果たして自分のやりたい役につけた子が何人いたのでしょうか。
私がどうしてもやりたかった役は、「宿屋の女将さん」。
理由はただひとつ、衣装が可愛かったからです。
マリア様の役もありましたが、正直、衣装は地味。
それに比べて宿屋の女将さんは、断然かわいい。
子どもながらに、私は完全にビジュアル重視でした。
ところが、実際に回ってきた役は「解説」。
クリーム色のシーツを簡単に縫っただけのような、飾り気のないワンピース型の衣装で、場面が変わるタイミングごとに解説を読む役です。
あのときの、がっかり感。
今でもはっきり覚えています。
小さい頃から目立つことはあまり好きではなかったのですが、あの劇を思い出すたびに
「目立ってもいいから、あの可愛い衣装が着たかったな」
と思ってしまうのです。
今年の春先、母とドライブがてら、その保育園まで行ってみました。
園舎も教会も建物自体は残っていましたが、今はもう保育園としては使われていないと知り、少し寂しい気持ちになりました。
小さな教会は、やっぱり小さくて、
でも記憶の中のまま、ちゃんとそこにありました。
この先もきっと忘れることのない、幼い頃のクリスマスの思い出です。
皆さま、どうぞ素敵なクリスマスをお過ごしください。
アーメン。
(前回の投稿でもお伝えしていますが、私はクリスチャンではありません)
余談ですが……
私の結婚式は、その教会ではなく、とある神社であげました。
真逆。
…人生、そんなものです。笑
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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